「ダンサー・イン・ザ・ダーク」

どうしようもない『悲劇』


  

いよいよ今年も大詰めですね。皆さんお元気に「年の瀬」をお迎えでしょうか?
去年の12/30は加太に鯛釣りへ行き、大漁のおかげで「エビス顔」で大晦日を迎えたのですが、今年は、釣り船の予約が入らなかったため海には行かず、先頃オープンした「泉北クロスロード」にある「ヴァージンシネマ泉北」に行って来ました。ここは、7つか8つのスクリーンを持つ今流行りの「シネコン」です。ここのプレミアムスクリーンという豪華な映画館で公開されているのが「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(そう言えば「ダンスインザダーク」という名前の馬がいました)。今年のカンヌ映画祭でグランプリと主演女優賞を獲得した作品ですね。朝の10時という時間のせいなのかどうかはわからないけれど、お客さんは私を含めてわずかに5名という淋しさ。どうしたんでしょう。でも、さすがプレミアムスクリーンと銘打っているだけあって、椅子は豪華だし、スクリーンもでかい。音響も凄くイイみたい。当然だけど観やすくて、イイ感じでした。

さて、映画って「こんなところになんでこんな幸運が転がっているの!」とか「こんなことあるわけないやん!」というストーリーがとっても多いよね。絶体絶命のピンチに奇跡が起こったりして、ヒーロー(ヒロイン)は満面の笑顔でエンディング、ってな具合に。でも、この映画は違います。あんまり予備知識無しで観たので「いつになったら助けが来るのか」っと思っていたら、全く予想外のエンディングを迎えてしまい「こんなのありか?」っと絶句してしまい、前回とは違う涙を流してしまいました。

あまりにも悲しくて、かわいそうで。

確かに、健気に生きていく主人公に感動したけれど、あまりにもこの映画には「救い」が無さ過ぎる。こんな話は、わざわざ映画にしなくても連日新聞の社会面をにぎわしている事件と一緒じゃないか。映画を観終わって、パンフレットを購入して読んだけど、評論家はきれい事を並べていたけど、一体作者は何のためにこの映画を作って、何のために観客に観せたのだろう? いつかその「意図」が私にもわかるかもしれないけど、今は解らない。

「この人いいなぁ、存在感あるなぁ」と思っていたらカトリーヌ・ドヌーヴでした。やっぱりなぁ。

アン・ハッピーな映画なのでオススメしません。特に、正月に入ってから観るとドヨヨ〜ンと暗い正月を過ごせること請け合いです。そうなりたい方はご覧下さい。この映画で、今年を締めくくるのは「何かなぁ」って感じ、去年も後味の悪い「シュウシュウの季節」がラストだったなぁ…。


さて、ということで、今年、2000年は50本の映画を観ましたが、「輝く、第2回・偽ジェルソミーナ通信大賞」は...。
「初恋のきた道」に決定。受賞理由は、チャン・ツィイーがかわいかったこともあるけれど、それだけじゃなくて、ストーリーがとっても良かったから。映像もとてもきれいで、忘れられない作品です。まだ、観てない人は是非ご覧下さい。お正月に観ると、とてもハッピーな気持ちで1年を過ごせますよ!
次点は「ペパーミントキャンディ」かな、この作品は私の心の「琴線」を痛く鳴らしてくれました。
そして、「輝く、第2回・偽ジェルソミーナ通信・行ってみたい都市大賞」は、「ナビィの恋」の舞台、沖縄の粟国島。都市じゃないけどね。ナビィの笑顔と島唄に会いに行ってみたいですね。ついでに「男優賞」は「フォーエバー・フィーバー」のホック。この映画3回も観たしなぁ。さえないホックがどんどん変身していく(?)姿がなんとも言えません。で、「女優賞」はいろいろ悩んだけど「玻璃(ガラス)の城」のスー・チーに決定。

じゃ、来年もたくさん映画を観ましょう。
皆さん、良いお年を!
新年快楽!

おしまい。