「のど自慢」

「上を向いて歩こう」を思わず口ずさんでしまいます


  

この夏の渇水を一気に取り戻すように激しい雨が降っています。みなさんお元気ですか?

今回観てきたのは「のど自慢」。去年のお正月に公開された映画ですね。阪急に乗って、中津を過ぎて梅田に近ずくと線路の左右に映画の大きい看板が見えてくるでしょ。この「のど自慢」の看板も去年のお正月にありましたよねぇ。 会場は去年オープンした「シネ・ぴぴあ」。阪急の宝塚線の「売布(めふ)」駅にあります。50席の小さな劇場が二つ。小さいけど、椅子もいいし、角度があってどの席でも観やすくなっています。土曜日のモーニングショーでしたが17名のお客さん。まずまずの入りではないでしょうか。残念ながら「のど自慢」の上映は終了しました。

あのNHKの看板番組「のど自慢」がとある田舎町(群馬県桐生市)にやってくる。その街の様子を「のど自慢」の公開放送のある日までの3日間を描いています。

いや〜、面白かった。
皆さんもチャンスがあれば是非ご覧下さい(ビデオもあるよ)。

売れない演歌歌手・赤城麗子と失業中でヤキトリ屋修行中の元気オヤジを中心に「のど自慢」に出る人(出たい人)たちが丹念に描かれています。この二人以外に、家庭崩壊寸前の女子高生、不登校の孫を預かっている老人など彼らの顔ぶれは多種多彩。
話は本番の前日に行われる「予選会」から一気に盛り上がります。ヤキトリ屋の採用試験を抜け出して予選へ出掛ける元気オヤジ。他人に成りすまして予選を受ける赤城麗子。この日、不倫相手の許へ家出する姉を見送ってから唄う女子高生、などなど。
クライマックスは当然本番の最中ということになりますが、やっぱり日本の歌はいいね。あの歌、この歌。翌日の山歩きの最中にも思わず口ずさんでいました。

「のど自慢」の司会役である金子辰雄(元?)アナウンサーがびしっと引き締めています。それにこの映画、脇を固める役者さんがとても豪華ですよ。私は女子高生役の伊藤歩が気に入りました(アイドル音痴の私は、この女の子がヒロスエ・リョウコという人なんだと思っていました)。もっとも彼女の唄う「花」が合格するほど上手かったとは思いませんでしたが...。もうちょっと練習しろよな(室井滋の方がうまいで!)。
以前観た「顔」が藤山直美のキャラクターでぐいぐい引っ張る映画だとすれば、この作品はいろんな形で散りばめられたサイドストーリーで思わず見とれてしまう娯楽作品に仕上がっています(でも、外国に持っていっても「のど自慢」という前提条件になる番組を知らない外国人には理解できない映画でしょうね)。

と言うわけで、もう9月ですね。途中で一気に涼しくなった日もありましたがまだまだ残暑が厳しい。体調には気を付けて、映画鑑賞に、学生フットボール観戦、山歩きに頑張りましょう。

おしまい。