「季節の中で」 |
ホーチミンの夜をオムニバスで綴る |
ゴルフをする人は嫌だなぁ、と思う今日この頃ですがいかがお過ごしですか? さて、今回は「季節の中で」。アメリカ製作だけどベトナム語で撮られています。「クンドゥン」もチベット語で撮ればよかったのに。ベトナム語はどことなく中国語やハングルに似てますね。会場は梅田の「ガーデンシネマ」。今週一杯でオシマイというせいか、バレンタインのせいか分からないけど、総勢10名という寂しい入り。しかも、途中で出たり入ったりと人数が少ない割に騒がしい上映でした。
舞台はホーチミン。言葉を聞かなければ、中国の広州や南寧と言われても分からないほど街の雰囲気は似ています。客を乗せて運ぶ自転車・シクロ、シクロの運転手と高級娼婦。ガムやタバコを夜な夜な売り歩くストリートボーイ。ベトナム戦争の当時海兵隊員でベトナム女性との間にできた娘を捜しに来たアメリカ人。そして、沼に咲く美しい蓮の華を摘んで街に売りに来る若い女。この主人公達がそれぞれの季節を懸命に生きていく姿が、淡々と描かれます。 なんか。大人のムードが漂う良い映画でした。戦争の功罪を語ることもなく、今のベトナムを素直に受けとめて、自分を見失わず、懸命に生きていく姿に好感が持てます。蓮の華と火炎樹を見にホーチミンへ行きたくなります。途中、シクロマンが街角で仲間と客待ちしながら、ローカルの飲み物を飲んでいるのね、そしてキャメラが二人からスーっと引いていくと二人の後ろにあったのは巨大なコカコーラの看板だった、というのは何か今のベトナムを象徴しているようですね。 ガーデンシネマで2月18日(金)まで。 おしまい。 |